1. CAD/CAM
最新のプログラミングとの融合で、加工時間短縮や精度向上が狙えます。ツールパスを決めてシミュレーションすることで、加工時間を計算したり、干渉を防いだりと、使い方によって工数削減に繋がります。
2. 工作機械
加工によって、適切な工作機械が必要です。年代やスペックによって、実現できる加工方法は異なります。
一方で、ひとつの機械を長年ご使用されている場合、同じ成果物を製作するにも条件を変えたりツールパスを変えたりと、機械への負荷を考慮した工夫が必要なケースもあります。機械の性能を活かす加工や機械への負荷を抑える加工について、理解を深めることが必要です。
3. 測定器
より高精度な加工を目指すなら、工具寸法の測定が有効です。デジタル機器で省人化を実現したり、モルディノが提供するデジタルデータを使用し、工具管理もできるシステムが登場したりもしています。
そんな世の中において、当社はソリューションのひとつとして「Hi-Pre² (ハイプレツー)」を提唱しています。Hi-Pre²とは 「High Precision(高精度) Pre-finishing(仕上げ前加工)」の略です。 荒加工・中仕上げ加工のエラーが仕上げに影響するため、仕上げ加工の前工程で工具を測定することも推奨しています。
4. クランピング治具
クランピング治具は、軸加工や複雑な加工の段取り時間短縮、高精度加工のために大事な機器のひとつです。
ワークを機械にしっかり固定できなければ、座標がずれてしまい狙い通りの加工ができません。ワークと機械に合わせたクランピング治具の選定が重要です。
5. ツーリング
切削工具の性能を発揮するためには、ツーリングの選び方がとても重要です。剛性が必要な場合や高精度な加工をしたい場合、長さが必要な場合などには、工具とツーリングのかけ合わせで性能を発揮できます。
6. クーラント
クーラントは工具の寿命や加工面に大きく影響します。材料の硬さや特性、加工形状、各工程によって使い分けることで、より安定して高品質な加工を実現できるのです。
クーラントの種類だけでなく、当て方を工夫することで、工具の折損や摩耗を防いだり、加工品位を高めたりすることが可能です。
7. ワーク
周辺機器ではありませんが、ワークも注目すべきポイントのひとつです。
JISなどの標準規格で材料が区分され、改良材もたくさんありますが、SKD61と同じクラスでもそれぞれに適切な工具があります。同じクラスのワークは被削性も同じように思えるかもしれませんが、ワークの特徴を考慮した工具選定により工具寿命を延ばせる可能性があります。
今回は当社目線で周辺機器についてご説明しました。工具と周辺機器のマッチングは、加工においてとても重要です。
皆様の加工環境はいかがでしょうか。
当社は工具だけを販売しているのではありません。周辺機器によって工具の選び方や使い方を変えたり、切削条件を変えたりするご提案をさせていただき、お客様の工具が最大限のパフォーマンスを発揮できるようなコーディネートもしております。
MOLDINO
切削工具メーカーから見た周辺機器
切削加工を行うには、工具以外にも様々な周辺機器が必要です。これらの組み合わせ方や使い方次第で、高能率加工や、高精度加工を実現することができます。 今回は、切削工具メーカーである当社の視点で、CAD/CAMや工作機械をはじめとした周辺機器についてお話します。
技術コラム